免疫療法

免疫療法

アレルギー性鼻炎の治療には、薬物療法・免疫療法・手術療法などがありますが、当医院でも実施している「免疫療法」についてご紹介いたします。

アレルゲン免疫療法とは?

アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から体内に投与することで、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。原因となるアレルゲンを用いて行う治療法のため、アレルゲンを特定する必要があります。

アレルゲン免疫療法の特長

アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状を抑える可能性のある治療法です。
症状が完全に抑えられない場合もありますが、お薬の使用量を減らすことも可能です。
アレルゲンを投与することから、局所や全身のアレルギー反応がおこる恐れがあり、ごくまれにアナフィラキシーショックなどの重篤な症状が発現するおそれがあります。
治療は、長期間(3~5年)かかります。
すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。
約7~8割の方に効果があるとされています。

アレルゲン免疫療法の種類

アレルゲン免疫療法には、「舌下免疫療法」や「皮下免疫療法」があります。

当医院では、スギ花粉症だけでなくダニアレルギーの方にも舌下免疫療法、皮下免疫療法を行っております。

舌下免疫療法

舌下免疫療法は、舌下にアレルゲン治療薬を投与する治療法です。

皮下免疫療法と異なり、痛みもなく自宅で服用が可能です。しかし、服用量や服用方法、副作用に対する対応など、皮下免疫療法と比べてより治療に対する患者さんの理解が必要な治療方法です。なお、この治療は5歳以上から保険適用です。

治療の流れ
服用期間
  • 1日1回、少量から服用をはじめ、1週間は少量を服用し、その後は維持量を数年にわたり継続して服用していきます。

※スギ花粉症の場合は、花粉の飛散時期を避けて、開始する必要があります。

服用方法
  • 治療薬を舌の下に置き、1分間保持したあと、飲み込みます。
  • 服用後、5分間はハミガキ・うがい・飲食を控えます。
  • 決められた期間、毎日服用します。

※服用する前後2時間は、激しい運動、アルコール摂取、入浴などは避けるようにします。

副作用について

主な副作用として以下のような症状が出ることがあります。

  • 口の中の副作用(口内炎や口の粘膜の腫れなど)
  • 咽喉(のど)のかゆみ
  • 耳のかゆみ
  • 頭痛

※時に重大な副作用(アナフィラキシーショック)がおこることもあります。必ず、担当医の指導のもとで舌下免疫療法は行ってください。

皮下免疫療法

皮下免疫療法は、アレルゲンを皮下に注射する治療法です。

医療機関で医師により投与を行うため、治療の初期段階には頻繫に通院していただく必要があります。なお、この治療は保険適用です。

治療の流れ
  • まず、副作用がでないような低濃度のアレルゲンの皮下注射から始めます。
  • 通常は週1~2回通院していただき、徐々にアレルゲンの量を増やしながら、数ヶ月かけて治療活性が発揮できる高濃度のアレルゲン維持量を目指すスケジュールで治療を行います。
  • 維持量に達した後は、維持治療として4週に1回程度の治療を行い、少なくとも3年以上は継続が必要となります。
副作用について

当医院では、開業当時より23年間皮下免疫療法を実施しています。これまでアナフィラキシーショックなどの重篤な副作用は発生しておりませんが、以下のような症状が出ることがあります。

  • 注射部位には、必ず局所のアレルギー反応があり、皮膚の発赤・腫脹が生じます。
  • 体調の悪い患者さんの中には、軽度の喘息発作や、身体のかゆみなどが誘発されることもあります。
  • 当医院では、注射後30分間の経過観察後に帰宅していただいております。そのため、副作用に対して薬物投与などの対処をすぐに行うことができます。